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2005年12月02日
不妊症?排卵の仕組み②卵子の数は
卵子の数は
女性の卵巣の中には、ピーク時で約800万個の卵子がつまっているといわれています。
これらの卵子は、卵巣の中で生涯を通じて少しずつ成長を開始します。
卵子の数は、女性の出生時には200万個に減り、その後も加齢と共に徐々に減っていき、
思春期になる頃には50万個くらいにまで減ります。通常は50歳台で卵子は枯渇し閉経を迎えます。
精子が男性の精巣(睾丸)の中で絶えず新しく作り出されるのとは対照的に、卵子は生まれ持って
きたものが減り続けるのです。
ですから、なるべく早く。加齢になる前に不妊症治療を受け子宝に恵まれたいのです。

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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、卵子の数についてです!
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不妊症?排卵の仕組み③妊娠可能な期間は
妊娠可能な期間は
基礎体温表で見ると、月経が始まると同時に、体温が下がっり低温相(ていおんそう)に入ります。
そして排卵すると、卵子を押し出した後の卵胞<黄体>(おうたい)から分泌される
プロゲステロンの作用で、体温が上昇し、高温相(こうおんそう)に入ります。
この低温相から高温相に変わる時期に排卵が起こるわけですから、その頃が一番妊娠しやすい時期と言えます。
しかし、精子は射精後、約3~7日間受精能を保ち、卵子は排卵後、約24時間受精能を保ちますから、
排卵の7日前から排卵後1日位の期間が、妊娠可能な期間といえます。
排卵の時期は個人差がありますので余裕を見たほうが良いようです。

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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、妊娠可能な期間についてです!
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2005年12月04日
不妊症?排卵の仕組み④卵子の捕獲(ピックアップ)
卵子の捕獲(ピックアップ)
まず、この図を見てください。
成熟卵胞からエストロゲンが出て視床下部に「排卵準備OK」の合図を送ると、
脳下垂体が合図をキャッチして「排卵しなさい!」と黄体ホルモンが出されて・・・排卵!pon!

ここから、卵子の旅が始まります。

排卵期になると、卵管の先の卵管采(らんかんさい)が、
卵管とともに移動して、卵巣の表面に接触します。(図では、離れていますね!)
卵管采が卵巣から出てくる卵子をコボさないように、くっ付くようになります。
そして、卵子は卵管の中に導かれて行くのです。
卵巣と卵管采の間には、少し隙間が空いています。
動物の中には、この卵巣と卵管采が膜で繋がっていて、全ての卵子が卵管に入って行くのです。
(動物はあくまで参考に!)
しかし、人間の場合は、このような膜がありません。
ですから、人間の場合は排卵された卵子のうち約半数のみが卵管に入って行くと考えられているそうです。
逆に考えると、卵管に異常がなくても2ヶ月に1回位しか卵子をキャッチ出来ないと考えられます。
卵管采によってキャッチされなかった卵子は、腹腔の中に消えて行きます。
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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、卵巣と卵管采の仕組みです!
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不妊症?排卵の仕組み⑤卵管膨大部の働き
卵管膨大部の働き
卵巣から排出された卵子を卵管采が捕らえて卵管の中に送り込みます。
卵管の先の卵管采はイソギンチャクの触手のような構造をしていて、
表面には細かい繊毛がびっしりと生えています。
繊毛は運動を繰り返し、卵子を卵管の奥へと誘導していきます。

卵管に送り込まれた卵子は、卵管膨大部に到着します。
ここで、精子が子宮から卵管へと来るのを待っています。

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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、卵管膨大部の働きです!
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不妊症?精子の旅①男性生殖器と精子のつくり
男性生殖器と精子のつくり
◇精子のつくり
精子は、遺伝子を積み込んだ頭部、運動エネルギーを生み出す中間部、
精子の全身運動をになう鞭毛部からできています。
精子の先端には、卵子の殻である透明帯を溶かす酵素を含んだアクロゾームという袋があります。
◇精子の産生
精子は、精巣(睾丸)で絶えず新しい精子が作られています。
精巣の中で72日間育まれ、見かけ上は一人前になった精子は、精巣上体に
蓄えられて順番を待ちます。この精巣上体で約2週間順番を待っている間に、精子は成熟して動き始めます。
精子は精巣で成長が始まってから射精されるまでは約3ヶ月経っていることになります。
これは、過去3ヶ月間の体調が、精子の状態に影響を与える可能性があることを意味しています。
精巣上体には受精能を獲得した精子がたっぷり蓄えられており、立て続けに射精することができるようになっています。
*1回の射精で何億もの精子がでます!
丈夫な精子を作るためにも、子作りの3ヶ月前からご主人の健康には気を配りましょう。
僕たちのように10年間にもなると、ず~っと健康管理には気をつけなければなりませんでした。

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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、精子のつくり方です!
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2005年12月05日
不妊症?精子の旅②精子の通り道
不妊症?精子の旅。精子の通り道
膣の中に射精された精子は、ごく一部の運の良い精子だけが、子宮の入り口から垂れ下がっている
頚管粘液(けいかんねんえき)に潜り込んで生き延びることになるのです。
ではなぜ一部の運の良い精子だけなのでしょう?
これは、膣の中にはデーデルライン桿菌(かんきん)という菌が存在するからなのです。
この菌はブドウ糖を乳酸に変える働きを持っているため、膣の中が酸性になってしまうのです。
この乳酸に精子はとても弱い為、ごく一部の運の良い精子だけが頚管粘液の中に入れるのです。
この頚管粘液は、精子を一定期間蓄えて持続的に子宮へ供給する役目も持っています。
射精直後、頚管粘液に取り込まれた精子は、その後3日間にわたり少しずつ卵管に向けて移動します。
精子は、その鞭毛を活発に活動させて直進運動をします。
何億と膣内に射精された精子のうち、実際に卵子と巡り会うのは、せいぜい数十から数百と考えられています。

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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、精子が子宮に辿り着くまでです!
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不妊症を克服体験①城島春奈(28歳)初診・検査
『生理が不順気味で卵子が十分に成熟せず、排卵障害があることがわかりました』
◎プロフィール
25歳で結婚。18歳のころ、ダイエットをしたのがきっかけで、
それまで順調だった生理が不順気味になり、遅れることがたびたびあった。
結婚後、生理不順がひどくなり、2ヶ月近く生理がこないことも。
子供が早く欲しいと思っていたため、27歳で生まれて初めて産婦人科を受診する。
◎チェック!
受診のきっかけ⇒25歳ころから生理不順がひどくなり、2ヶ月くらいこないことも。
初診⇒一般的な不妊検査は約2~3ヶ月かかる。基礎体温表を毎朝つけるように医師から言われ、さっそく始める。
検査⇒排卵のないことが心配され、ホルモンの検査で軽い排卵障害であることがわかる。
診断⇒クロミッドという排卵誘発剤の服用で排卵を起こせば、妊娠可能とわかる。
「基礎体温表をつけることが不妊検査には重要だった」
【受診のきっかけ】
春奈さんの生理は結婚をした25歳ころから、ひどくなっていった。
それまでも30日でくることもあれば、40日こないこともあった。
だが、結婚後は2ヶ月近く間が開くことも増えてきた。
「子供が早く欲しかったので、生理が不順なままでは、子供ができないと思い、
思いきって産婦人科を初めて受診することにしました。」
【初診】
春奈さんが受診したのは、不妊症治療の看板を掲げている総合病院の産婦人科だった。
春奈さん一人で出かけた。初診時の検査は、
問診⇒結婚年齢・年数、避妊期間の有無、妊娠や分娩の有無、過去の病気や手術の有無、家族歴など。
視診⇒体型、肥満度、乳房の発育状態や発毛状態を観察する。
内診⇒腹壁と膣内から手で触って子宮や卵巣の状態をチェック。
超音波⇒経膣式超音波断層法が一般的で、膣からプローベと呼ばれる棒状のものを挿入し、子宮や卵巣の様子を見る。
春奈さんの場合、
子宮内膜組織検査⇒子宮内膜の組織を採取して顕微鏡で調べ、着床の準備ができているかどうかを調べる。
クラミジア感染症⇒性感染症のひとつで、感染すると卵管の癒着など、女性の不妊症の原因となる。
子宮ガン検査⇒おもに子宮頸ガンの検査。子宮頸管の組織を採取して調べる。
血液検査⇒卵巣機能、子宮内膜症、ホルモンの状態などを調べる。
尿検査⇒妊娠の有無を確認するほか、内科的な検査も。
なども行った。
春奈さんは、医師から「基礎体温表をつけてください。不妊検査の大切な資料になりますから。
特に生理が不順な場合は、排卵があるかないかや、排卵の時期を知るためにもとても重要です」と言われる。
基礎体温表⇒不妊症の一般的な検査は性周期に合わせて行われるため基礎体温表で確認しながら進める。
基礎体温表からは排卵の有無、卵巣機能の様子などもわかる。
基礎体温は毎朝目覚めたら、そのまま布団の中で測る。
「初診時は、前回の生理から30日近くもたっていましたので、できない検査がありました。
生理の周期に合わせて、その時期ごとに行える検査が違うそうです。
一般的な不妊の検査をひととおり終えるには、2~3ヶ月はかかると聞いて、そんなに時間がかかるのかと驚きました。」
【検査】
一般的な不妊検査は、それぞれ行える時期が決まっている。
生理終了後から排卵までに行うのは、
子宮卵管造影法⇒子宮口から造影剤を流し入れ、レントゲンを撮る。卵管の状態を見る代表的な検査。
卵管の通気・通水検査⇒卵管が通っているかを調べる、もっとも簡単な方法。
通気検査は子宮の入り口から炭酸ガスを、通水検査は生理食塩水などを入れて調べる。
卵管内視鏡⇒先端にバルーンのついた直径1mmほどの細い内視鏡(ファイバースコープ)を膣から挿入
し、卵管の内側を押し広げて見る検査。卵管の中を観察するほかに、閉塞した卵管を開通させる治療的な側面もある。
子宮鏡検査⇒直径3mm程度のファイバースコープを子宮頸管から挿入して、子宮内の状態を観察する。
など。
排卵日の3~4日前から排卵日の間は、
子宮頸管粘液検査⇒子宮頸管から粘液を採取して、粘液の量や粘り気から排卵が正常か調べる。
血液検査(卵胞ホルモン検査)など。
排卵が予想される日には
ヒューナー検査⇒直接性交後、膣の分泌物や子宮頸管粘液を採取し精子がいるか元気に動いているのかの検査。
フーナーテストともいう。
排卵後、高温期に入って5~10日後には、子宮内膜組織検査、血液検査(黄体ホルモン検査)など。
生理中は
ホルモン基礎値検査⇒採血して、血液中のホルモンの量を測定し、正常に分泌されているかを調べる。
月経血結核菌培養検査⇒膣内の月経血を培養し、結核菌の有無を調べる。
などを行う。
ホルモンによって検査期間が異なる
ホルモン負荷試験⇒あるホルモンを投与して、それに対して各器官がどのように反応するかを見る。
もある。
「基礎体温計と基礎体温表を買い求め、つけ始めました。
毎朝、基礎体温計を口にくわえるのが習慣になるまでは、ちょっと大変でした。」
初診から約2ヶ月後、春奈さんは5回目の受診に向かった。
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不妊症?精子の旅③卵子と精子の結合
卵子と精子の結合~受精
一般的に卵子の受精能力は12~24時間と考えられています。
精子は射精後、一般的に48~72時間位と考えられています。
この間に、卵子と精子は、卵管膨大部で巡り会います。
卵子の殻である透明帯(とうめいたい)には、
精子をくっつける部分があります。
精子は透明帯にくっつくと、頭部のアクロゾームと呼ばれる袋の中身を放出します。
この中身の、アクロシンという酵素で透明帯を溶かしながら、直進運動で精子は進入します。
一度、一番乗りの精子がこの透明帯を通過すると、透明帯は透明帯反応と呼ばれる
変化を起こして、他の精子を通さなくします。
このように、1つの卵子と1つの精子が受精するのです。
透明帯をくぐり抜けた精子は、次に卵子の細胞膜に包み込まれます。
そ・し・て・・・・・
合体!
この合体により、卵子は再び活性化します。
この後、精子頭部の核が卵子の中に進入していきますが、
これが、受精です。
精子の核と卵子の核は、徐々に接近し、やがて1つになります。


しかし、この段階では、まだ妊娠成立ではありません。
これから、さらに子宮に向かって受精卵が移動しながら核分裂を繰り返します。
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僕たち夫婦がクリニックの先生から説明を受けた、受精についてです!
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2005年12月06日
不妊症?受精卵の移動①分裂と移動
受精卵の移動と分裂
卵管は、受精卵をじっくりと輸送しながら卵子の成熟を促します。
この間の受精卵は2分割・4分割・8分割と細胞分裂を繰り返しながら成長していきます。
排卵後5日目には胞胚(ほうはい)<胚盤胞>(はいばんほう)
となり、やがて受精卵は子宮腔に入り、子宮内膜に接近していきます。
6日目には、透明帯を破って孵化(ふか)し始め、子宮内膜に接着します。
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不妊症を克服体験①城島春奈(28歳)原因・診断
『生理が不順気味で卵子が十分に成熟せず、排卵障害があることがわかりました』
「ホルモン検査で軽い排卵障害とわかって」
【原因】
5回目のその日は、生理開始から20日近くたっていた。
「通常なら、生理開始から13~14日目くらいに排卵するらしいのですが、
私の場合は基礎体温が排卵日を示すほど下がってきません。
私の基礎体温表は低温期から、いつのまにか緩やかに高温期になっているので、
どこが排卵日だか見分けにくいのです。排卵していなければ、精子は卵子と出会えない。
妊娠できないという不安が頭の中を巡りました。」
基礎体温表を見て、超音波で排卵の様子を診察した結果、卵子は20mmになっているので、
あと2~3日で排卵するのではということだった。
医師は「ホルモンの検査結果で、前回、黄体ホルモン(プロゲステロン)を注射するホルモン負荷試験を
行ったら生理が起こりました。排卵を起こすための黄体ホルモンと卵胞ホルモン(エストロゲン)の
バランスが悪いため、排卵が規則正しく起こらないのでは」と話した。
【診断】
春奈さんの場合、黄体ホルモンに反応して生理が起こったので、比較的軽い
「第一度無月経」⇒比較的軽い月経障害。多くは排卵誘発剤で、排卵を起こすことができるようになる。
「第二度無月経」は、重症の排卵障害で、卵巣に直接働きかける排卵誘発剤が必要になる。
という排卵障害だという診断だった。
「次の周期の様子を見て排卵が起こらなければ、
クロミッド⇒クロミッドは弱い卵胞ホルモン(エストロゲン)作用をもち、
視床下部に働いてゴナドトロピン放出ホルモン(Gn-RH)の分泌を促し卵胞刺激ホルモン(FSH)や
黄体形成ホルモン(LH)の分泌を増加させて卵胞の発育を促す働きがある。
という排卵誘発剤を服用して排卵を促すことに。
妊娠可能と言われ安心しました。」
春奈さんのような第一度無月経の場合、クロミッドの治療効果は高く、60~80%に排卵が認められ、妊娠が可能になるそうです。
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2005年12月08日
不妊症を克服体験②吉田良恵(27歳)初診・検査
『通気検査や卵管造影法の検査が痛くてつらかったのは、卵管が狭いからでした』
◎プロフィール
24歳で結婚。生理は順調で、生理痛もほとんどなかった。
結婚3年たっても妊娠しないため、不妊治療専門クリニックへ。
一般的な不妊治療を進める中で、卵管の状態を調べる子宮卵管造影法、卵管通気検査、卵管通水検査。
卵管通水検査がひどく痛かった。卵管が少し狭いことがわかる。
◎チェック!
受診のきっかけ⇒3年たっても妊娠しないため、不妊治療専門のクリニックを受診。
検査⇒卵管の状態を調べる卵管通気検査、子宮卵管造影法を行ったが、痛くてしばらく動けなかった。
診断⇒卵管閉塞ではないが、比較的卵管が狭いため、痛かったのではないかと言われる。
治療効果⇒卵管通水検査などは、卵管を通りやすくする治療効果がある検査で、簡単に行えるため毎月行うことに。 半年後、妊娠。
『どの卵管検査を行ってもひどく痛かった・・・・・・・・・・・・・』
【受診のきっかけ】
「子供のころから生理は順調で、ほぼ28日周期で狂うことはほとんどありません。
少し腰痛がある程度で生理痛とも無縁でした。結婚してすぐに子供ができると思っていたのに、
3年もたったので産婦人科を受診することにしたんです。」
【初診】
良恵さんは近くの不妊治療専門クリニックに、1年前からつけている基礎体温表をもって出かけた。
まず、基礎体温表を見ながら、これから行う不妊検査についての説明があったのち、診察が行われた。
「初診時の内診や超音波検査では、子宮や卵巣の状態に特に異常はないと言われ安心しました。
ちょうど初診のときが生理から10日目くらいでしたので、超音波で
卵子⇒卵子は直径40~50ミクロン(1ミクロン=1000分の1mm)ほどの大きさの原始卵胞という状態で卵巣に蓄えられている。
排卵の予定が近づくにつれ、約20~30個が直径2mm程度まで発育する。
このうちの1個が成熟卵胞となり、排卵の直前には、20~23mm程度まで大きくなる。
が18mmになっているのがわかりました。
『2~3日したらまた、排卵する23mm程度になっているか確めましょう。
そうしたら、セックスのチャンスをもってみてください。』と言われました。」
13日目、クリニックで卵子の大きさを確め、チャンスをもったが、翌月、いつもどおり生理がきてしまった。
【卵管検査】
「その生理終了後すぐに、
卵管⇒卵管の働きは、受精の場、受精卵が分割して初期の発育をする場、卵子(受精卵)を子宮へと送り出す場。
この卵管が左右とも詰まっていると受精がむずかしくなる。
の状態を調べる検査を行うことになりました。
まず、
卵管閉塞⇒卵管が詰まった状態。
と
子宮⇒不妊症の人の約3%に子宮の形態異常が見つかる。
形態異常の種類は様々だが、子宮の状態によっては妊娠成立に問題のない場合もある。
の形態異常などを調べる子宮卵管造影法を行ったんですが、ひどく痛くて、しばらくクリニックのベットで休ませてもらわないと帰れませんでした。
検査は、あお向けに寝て、膣から細いカテーテルを入れ、子宮内から卵管まで造影剤を注入して、レントゲン撮影をします。
造影剤を注入しているときから、違和感と痛みで冷や汗がでました。
不妊の検査の中でこれが一番つらかった・・・・・・・・・・
でも、同じクリニックで知り合った友人に聞くと、そうでもなかったという人もいて、卵管が詰まっているのかと不安になりました。」
卵管には、卵子をつかまえる、卵管内に入ってきた精子と卵子を受精させる、受精卵を子宮に向かって送るという重要な役割がある。
次に、卵管通気検査という子宮口から炭酸ガスを入れ、卵管内の圧を測る検査を行ったが、
この検査も良恵さんは痛くて涙が出るほどだったという。
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2005年12月09日
不妊症を克服体験②吉田良恵(27歳)診断・治療
『卵管通水検査を繰り返すことで狭い卵管を広げる効果が』
【診断】
子宮卵管造影法と卵管通気検査の結果を医師に聞きに、良恵さんは恐る恐る診察室へ入った。
「先生、私、卵管が詰まっているのでは?」と良恵さんが聞くと、医師は
「卵管閉塞ということはありませんよ。」と子宮卵管造影法のレントゲン写真を見せながら説明した。
「左右とも卵管が完全に詰まっていることはないが、比較的狭いとのこと。通気検査の結果も同じでした。
痛かったのは、そのためではと言われ卵管通水検査を行うことになりました。通水検査は、卵管の通りをよくする治療的効果があるということです。」
【治療・効果】
通水検査も、ほかの卵管検査と同様、生理終了後に行う。
子宮口から生理食塩水などを通すだけで、すぐに終わる検査だが、良恵さんはやはり痛かったという。
この通水検査、通気検査、子宮卵管造影法は、どれも治療的側面をもち、比較的軽い卵管閉塞なら、
検査後に卵管が通りやすくなっていることが多いという。
通水検査を毎月、繰り返した良恵さんは、半年後、ずいぶん痛みも軽減したように感じたという。
そして、そのすぐあと、良恵さんに妊娠が確認された。
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不妊症を克服体験③高山友子(27歳)初診・転院・検査
『生理中の強い下腹部痛や腰痛は子宮内膜症のため。それが不妊の原因でした』
◎プロフィール
23歳で結婚。22歳ころから、生理痛に悩まされ、年々ひどくなっていった。
26歳で生理のたびに起こる強い下腹部痛と腰痛に耐えきれず、子供ができないのも、
この生理痛が関係しているのではないかと思い、産婦人科を受診する。
最初に訪れた産婦人科は出産中心で、ていねいに話を聞いてもらえず、鎮痛剤だけを渡される。
そこで婦人科だけの病院を受診することにした。
◎チェック!
受診のきっかけ⇒ひどくなっていく生理痛に悩み、このままでは妊娠できないと産婦人科へ。
初診⇒出産中心で不妊の話はあまり聞いてもらえない。
転院⇒婦人科だけの病院へ。子宮内膜症が疑われる。
検査⇒腫瘍マーカーとMRIで子宮内膜症と診断。
入院⇒さらに内膜症の状態を詳しく知るために、腹腔鏡検査を行う。そこで内膜症の悪い部分も取り除く。
妊娠⇒手術後、生理が軽くなり生理痛も激減。その後、約3ヶ月で妊娠する。
『転院先の病院で子宮内膜症とわかって』
【初診】
「初めて受診した産婦人科がお産中心の病院で、妊婦でない私はぞんざいに扱われました。
もちろんひどい生理痛の原因さえわからず、鎮痛剤を渡されただけでした。」
【転院】
そこで、友子さんは、婦人科だけの病院を探し受診することに。問診のあと、内診による検査で、
友子さんは思わず声を上げてしまった。
「びっくりするほど痛かったんです。子宮の後ろ側(背中側)に変な痛みがありました。
そのあと行った超音波でも違和感がありました。」
医師は「生理痛の状態といい、今、内診と超音波で見た結果を考えると、どうも
子宮内膜症⇒本来、子宮の中にある子宮内膜という組織が何らかの原因で、他の場所へも移動して、
その場所で増殖する病気。子宮内膜症が発症する場所はさまざまで、腹膜の上、卵巣内、卵管、
まれに腸管上でも発症する。子宮内膜はホルモンの働きで剥離し、月経として出血するが、ほかの
場所に発症した内膜からも同様に出血し、痛みの原因になる。
が疑われますね。内診で子宮の後ろのほうが痛いというのも、ブルーベリーのような青紫色の色素沈着
が見られるところも疑わしいです。」と話した。
ただし、子宮内膜症で起こる
チョコレート嚢腫(のうしゅ)⇒子宮内膜が卵巣内にできると、たまった血液が大きな固まりとなり、
嚢腫をつくることがある。黒ずんだチョコレート色をしているところから、こう呼ばれている。
や
卵巣嚢腫⇒卵巣にできるできものの総称。卵巣嚢腫によって、不妊症になるのは、
①卵巣嚢腫で卵巣が引き伸ばされたことによって、卵管采の卵子をキャッチする能力が低下したり、
卵管の輸送能力が低下するため、
②排卵する場所が卵管采から遠ざかり、排卵した卵子が卵管采にキャッチされないため、
③茎捻転(けいねんてん)や炎症によって、卵管や卵巣周辺が癒着するため。
や
子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)⇒子宮内膜症が、子宮の筋層部分にできると子宮腺筋症と呼ばれる。
子宮筋腫との区別がむずかしいこともあるが、子宮腺筋症は月経痛が強いのが特徴。
はないとのこと。友子さんはすぐに、血液検査でCA125という
腫瘍(しゅよう)マーカー⇒がんの早期発見に使用する物質で、子宮内膜症でも高くなることがある。
での値が高いかどうかを見ることと、
MRI⇒磁気共鳴診断装置。X線のかわりに強い磁気を用いて体内を写し出す装置。X線では骨が写って
しまい、骨で囲まれた部分の組織は写し出せないが、磁気は骨を透過するので、骨に囲まれた組織も写し出すことが可能。
の予約をすることになった。
【検査】
MRIでの画像診断と腫瘍マーカーの値から、子宮内膜症と診断される。
子宮内膜症は、本来子宮の中にある組織が何らかの原因でほかの場所へも移動してしまい、そこで増殖する病気。
子宮内膜症が発症する場所はさまざまで、腹膜の上、卵巣内、卵管、まれに腸管の上にも発症するという。
「通常、子宮内膜は厚くなると、剥がれて生理として出血します。ところが、ほかの場所にできた内膜からも、
同じように出血するため、痛むのだそうです。生理がある限り進行する病気なので、それを止めるのがいちばんの治療法だと言われました。
当然のことですが、止めている間は妊娠できなくなります。また、妊娠が遠のいた気がして、落ち込みました。」
子宮内膜症は不妊の大きな原因となる。
出血によって腹腔内の臓器が癒着すると、卵管や卵巣の機能を阻害することも多い。
また、このまま放っておいてひどくなると、卵巣に
チョコレート嚢腫⇒子宮内膜症の程度はⅠ~Ⅳ期に分けられ、このうちⅣ期はもっとも進行した状態。
チョコレート嚢腫があるのはこのⅣ期にあたる。この場合の治療は開腹手術をして嚢腫を取り除く。
ができて排卵できない状態にまでなるという。友子さんは幸い、チョコレート嚢腫ができるまでには進行していなかった。
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不妊症を克服体験③高山友子(27歳)腹腔鏡・入院
『腹腔鏡検査で子宮内膜症の治療もできる』
【腹腔鏡】
「夫は『とにかく、子宮内膜症を治すことを先決にしよう。友子の体が健康になれば、赤ちゃんは何歳になってもできるよ』
と言ってくれました。その言葉で私も、子宮内膜症と闘う決意ができました。ホルモン剤を服用して、
生理を何ヶ月か止めて内膜症の進行を抑え、その後、休薬期間に妊娠するように試みるという方法も
あるということでした。
(子宮内膜症は月経がある限り進行する病気。そのため、ホルモン剤で月経のない状態にして、
進行を抑える。この薬物療法は、ピルで妊娠のような状態をつくる偽妊娠療法と、ダナゾール製剤や
Gn-RHアゴニスト製剤を用いて偽閉経状態をつくる方法がある。)
でも、将来の妊娠を視野に入れて治療を進めるためにも、直接、卵管や内膜の状態を観察することが
大切と先生に言われ、
腹腔鏡⇒おへその近くに10mm程度の穴を開け、
服腔鏡と呼ばれる内視鏡(ファイバースコープ)を挿入して中を観察する方法。
の検査を受けることに決めました。」
子宮内膜症の疑いがある場合には、超音波やMRI、
CT⇒X線CT検査。体の中を横に輪切りの状態で撮影できるX線検査。
頭の先から足先までどこでも約1cm間隔で輪切りにして写し出せる。
などの画像診断ではなく、実際におなかの中を見ることは、その後の不妊症治療にも大いに役立つ。
また、検査の際におなかの中を洗うだけで、不妊因子が取り除かれ、検査後すぐに妊娠することもある
といわれるほど。腹腔鏡の検査で子宮内膜症の治療も行える。
【入院】
「3日間、入院しました。おへその下を1cmほど切開し、そこから内視鏡を入れ、また別のところに開けた
穴から2本のマジックハンドのような鉗子(かんし)を入れて検査や手術をするのだそうです。
全身麻酔でしたから、寝ている間に終わってしまいました。おなかに小さい傷ができましたが、
傷痕もほとんど目立たなくなるそうです。」
友子さんの場合、幸い卵管癒着もなく、卵巣にも内膜症は見られなかった。
ダグラス窩(か)⇒子宮と後壁と直腸の間にある場所。
と呼ばれる部分と
子宮漿膜(しきゅうしょうまく)⇒子宮の外側にある膜。
などに発生していた。完全に取りきることはできないが、ほぼ腹腔鏡で処置できたという。
「腹腔鏡検査後、生理がきたのですが、痛くないんです。これまで悩まされていた痛みがうそのように
なくなりました。『ただし、内膜症部分を完全に取りきれたわけではないので、しばらくすると再発する
可能性もある。だから早く妊娠しなさい』と先生から言われました。
再発⇒子宮内膜症は完璧に治るということがむずかしい病気。
問題がなくなるのは妊娠した場合と閉経後。子宮内膜症は不妊症の人や子供をつくらなかった人に
多い病気。妊娠するとすっかり治ってしまう人も多い。妊娠がいちばんいい治療になるともいわれる。
それからは、基礎体温表とにらめっこしながら、病院へ通い、卵巣の様子を超音波で見てもらいながら、
排卵日を特定してもらいました。」
排卵日にチャンスをもち、友子さん夫婦は、腹腔鏡検査後3ヶ月で自然妊娠しました。
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2005年12月14日
不妊症を克服体験④内山典子(30歳)初診・検査
『精液検査をしてもらうよう、夫を説得するのがとても大変でした』
◎プロフィール
25歳で結婚。子供が欲しかったため、28歳で産婦人科を受診。
同い年の夫は「子供は30歳になってからで十分」と、積極的に子供を欲しがらなかった。
産婦人科で不妊検査を始めたことも、夫には特に話していなかった。
典子さんの検査がひととおり終わり、特に異常は発見されず、男性因子を調べる検査を行うことになる。
ここで初めて、夫に不妊検査について話すことになったのだが・・・・・
◎チェック
受診のきっかけ⇒結婚2年で妊娠しないと不妊と知り、28歳で受診。夫には相談していなかった。
検査⇒典子さんの検査は順調に進み、残るは夫の協力が必要なヒューナー検査、精液検査だけになる。
協力⇒夫に検査の協力を求めたが精液検査は同意を得られず、ヒューナー検査だけを行った。
診断⇒30歳になって夫は検査を受け入れ、精子が少なめだったが、タイミング療法と漢方薬で半年後に妊娠。
受診前に夫と話し合うことが大切と知る。
「夫に相談せず病院へ。なかなか協力が得られなかった」
【受信のきっかけ】
「普通の夫婦生活があるのに、2年たっても妊娠しないと不妊症だと本に書かれていました。
子供が早く欲しかったので結婚3年目になった28歳のとき、不妊検査に通うことにしました。」
【検査】
大学病院の不妊外来がある産婦人科を受診。
基礎体温表は結婚2年目からつけていたので、それをもって出かけた。
検査は順調に進み、約3ヶ月で典子さんの検査はほぼ終了。異常は発見されなかった。
「残された検査はヒューナー検査だけ。これは排卵予測日にセックスをして、その後2~3時間以内に、
膣の分泌物や子宮頸管粘液を採取し、そこに精液がいて元気に動いているかを調べる検査です。
それで、排卵時に精子が通りやすい状態に子宮頸管粘液が変化しているかがわかるのだそうです。
それと、夫の
精液検査。⇒一般的な精液検査は、8つのチェック項目からなる。
①精液の量
②酸性度(pH)
③総精子濃度
④運動精子濃度
⑤運動率
⑥形態異常率
⑦白血球数
⑧精子の直進運動性
これが最後に残った検査でした。」
典子さんは、自分が不妊検査に通っていることを夫に話していなかった。
「夫が不妊治療に積極的でないことを知っていましたので、簡単に話せません。
ヒューナー検査と精液検査は、先延ばしにしていたのでした。」
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不妊症を克服体験④内山典子(30歳)精液検査・診断
『ヒューナー検査と精液検査は、夫との十分な話し合いで』
【ヒューナー検査】
ヒューナー検査は、性交後2~3時間以内に調べなければならないため夫の協力は欠かせない。
典子さんは覚悟して相談した。
「結果は予想どおりでした。『まだ結婚して3年、しかもふたりとも28歳という若さなのに、
なぜ今から不妊治療をする必要があるのか。きみが自分の体を心配して検査をするのは、
仕方ないと思うが、俺は自分の体を心配していない』と言われました。
それなら、せめてヒューナー検査だけでもしたい。これは、私の体が精子を受け入れる体かどうかを
知りたいからだと説明して、やっと了解してくれたのでした。」
ヒューナー検査の結果は異常なし。これで典子さんの一般的な不妊検査は終わった。
不妊の原因が特定できるとすれば精液検査。もしくは原因のわからない
機能性不妊(きのうせいふにん)⇒不妊症のうち約2~3割は、どんな検査をしても
原因がつかめない場合がある。これを原因不明の機能性不妊という。
原因不明といわれる場合
①既往歴、内診に異常がない。
②性交回数が正常。
③精液検査が正常。
④毎月月経があり、基礎体温が二相性で高温期が12日以上ある。
⑤子宮頸管粘膜の分泌が良好で、ヒューナー検査も正常。
⑥内分泌(ホルモン)検査の値が正常。
⑦子宮卵管造影法による検査が正常。
このほか、
⑧超音波で、子宮や卵巣に異常がなく、排卵が確認できる。
⑨子宮鏡検査が正常。
⑩腹腔鏡検査が正常。
などを含める場合もあります。
ということになる。
【精液検査】
不妊原因の3分の1近くは、男性不妊といわれている。
不妊原因を調べるには欠かせない検査で、自宅で採取した精液を妻に病院へもって行ってもらうことでも可能。
精液一般検査では次の8つのチェック項目がある。
①精液量。
②酸性度(pH)。
③総精液濃度。
④運動精子濃度。
⑤運動率。
⑥形態異常率。
⑦白血球数。
⑧精子の直進運動性。
さらに、より正確に判断するために精子機能精密検査もある。
これらの検査から、
無精子症(むせいししょう)⇒精液中に精子が見られない場合。
乏精子症(ぼうせいししょう)・精子減少症(せいしげんしょうしょう)
⇒精液中に基準濃度以下の精子しかいない場合。おおよその目安として1ml中6000万個以上精子が
いれば正常と考えられ、3000万~6000万個の場合はタイミング療法、1000万~3000万個の場合は人工受精、
500万~1000万個の場合は体外受精、500万個未満の場合は顕微受精(けんびじゅせい)が、
治療の目安となります。
精子無力症(せいしむりょくしょう)⇒精子の運動率が極端に悪い場合。
奇形精子症(きけいせいししょう)⇒奇形精子の頻度が高い場合で奇形精子は
受精能力が低いため、形態異常率が高いと不妊の原因となる。
膿精液症(のうせいえきしょう)⇒精子の頭部には、受精のときに卵子の透明帯を
溶かすための酵素の膜があり、この膜がうまく働かないと、受精は成立しない。これを膜機能という。
精液中の白血球が精子を貪喰(どんしょく)するときに、この酵素が散らばって、ほかの精子の膜機能まで傷めてしまう。
このように、次々とほかの精子に悪影響を与えていくのが膿精液症という病気。
基本的には原因不明だが、前立腺や精嚢に炎症のある場合にも起こる。
精液1ml中に100万個以上の白血球がある場合に、膿精液症と診断される。
などの男性不妊の原因を見極めることができる。
【診断】
「夫が検査を受け入れてくれたのは、30歳の誕生日を迎えたあとでした。
どうしても子供が欲しいからと泣いて頼むと、うなずいてくれました。」
結果は、1ml中の精子が少なめで乏精子症といえなくもないが、3000万個以上あるため、
排卵のタイミングを見てチャンスをもつタイミング療法で妊娠可能な数字だった。
漢方薬「八味地黄丸(はちみじおうがん)」⇒男性不妊治療に用いる漢方薬で、
乏精子症には八味地黄丸が処方されることが多い。
を飲むよう医師にすすめられた。半年後、典子さんは無事妊娠できた。
精液検査をしり込みする男性は少なくない。
理由は「もし異常があったら」「何か自分の大事なものが踏みにじられる」「忙しくて体調が優れず時間がない」など。
不妊治療は夫婦ふたりで進めるもの、不妊検査に通う前に、夫と治療についてよく話し合うことが大切と知ったという。
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不妊症を克服体験⑤木村美子(33歳)検査・転院
『原因不明の不妊と言われ、原因探しの3年間。説明のない診察で無駄な時間を過ごして・・・』
◎プロフィール
27歳で結婚。結婚3年、30歳になったため不妊検査に通い始める。
有名な大病院だったこともあり、最低2~3時間待ち、診察は5分。
1年たってもすべての検査が終わらなかった。
そのため、近所の総合病院の産婦人科へ転院。
半年かけて最初から検査をし直したが結局、原因はわからず機能性不妊と診断。
排卵誘発剤でタイミングを見るだけで1年。次のステップに進まないことにいらだつ。
◎チェック
受診のきっかけ⇒結婚3年、30歳になったことで不妊検査に通い始める。
検査⇒不妊治療で有名な大病院で2~3時間待たされ5分診療。1年たっても検査が終わらなかった。
転院⇒総合病院の産婦人科へ。始めから検査のやり直し。
治療⇒原因不明の機能性不妊と言われ、排卵誘発剤クロミッドでのタイミング療法を1年続けるのみ。
再転院⇒よく話を聞いて治療してくれる医師と出会う。心の問題が大きかったことを知る。
「1年たっても検査が終わらず、転院したら始めから検査をやり直し・・・・・」
【受診のきっかけ】
「結婚して3年、30歳になったので、
(卵巣機能の低下は35歳くらいから始まるといわれている。体外受精を行っても35歳以上は妊娠率が
低下し始める。女性の場合、妊娠にもっとも適した年齢は20~35歳くらい。
30歳を過ぎると、卵巣機能が低下し始める35歳までに5年しかないことを考えると、30歳過ぎて子供
が欲しいときは早めに不妊検査を始めたほうが良い。)
検査だけでもと思い、病院を探しました。
不妊症で有名な大学病院の産婦人科だと、人に聞いたので、そこに通うことにしました。」
【検査】
ところが2~3時間は待たされ、医師と話をするのは2~3分。
内診台はカーテンひとつで区切られただけで、名前を呼ばれ端から順番に流れ作業のように内診をするだけ。
それが終わると再び呼ばれ、医師から「次は○○の検査をしますから、○○の時期にきてください。」と
ひとことで終了。こんなことが約1年間繰り返されたが、検査はすべて終わらなかったという。
【転院】
「こんなことしていたら、大切な時間が無駄になる。検査が1年かかっても終わらないなんてひどいと思い
次は自宅に比較的近い総合病院の産婦人科へ転院しました。」
しかし、その病院でも、今まで1年間かけて行った検査をまた始めから行わなければならなかった。
大学病院での検査結果が手元にないため、美子さんは仕方なく、子宮卵管造影法、血液検査、
ヒューナー検査など、同じ検査を繰り返した。
「今度は半年で検査を終えました。もちろん夫の精液検査もしました。でも異常はないというのです。
先生は『原因不明の機能性不妊ですね。不妊の原因は、わからない場合が30%あるといわれています。
とりあえず
排卵誘発剤のクロミッド⇒クロミッドは、視床下部に働いてゴナドトロピン放出ホルモン(Gn-RH)の
分泌を促し卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌を増加させて卵胞の発育を促す
働きがある。これで排卵を促し、排卵日のタイミングを見てチャンスをもつのが、クロミッド誘発によるタイミング療法。
を飲んで、排卵日にチャンスをもって様子を見ましょう』と言います。
とにかく一歩でも前に進みたかったので、やってみることにしました。」
投稿者 baby : 15:52 | コメント (0) | トラックバック
不妊症を克服体験⑤木村美子(33歳)治療・再転院
【治療】
美子さんは、翌月の生理開始3日目から2錠ずつクロミッドを飲み始めました。
基礎体温表に従って、排卵日近くになると病院へ行き、排卵の様子を超音波で確認してもらいました。
「そして、明日あたり排卵しそうだから、チャンスをと言われ、そうしましたが、1年たっても妊娠しない
ばかりか、同じことの繰り返しで進展がありません。私はもうすぐ33歳になってしまうと思うと、いても
たってもいられません。やはり、この病院もダメかと、夫と相談し通院するのをやめることにしました。」
『信頼できる医師との出会いと心の問題が大きいと知って』
【再転院】
美子さんは、友人に紹介された漢方薬局で漢方薬を処方してもらっていると、
店主が「いい不妊専門病院があるから」と教えてくれました。
「女医さんでした。私のこの2年半の話を黙って聞いてくれました。
そして、『さんざん検査ばかりしてきたようだから、検査をするにしても、それはあとで必要が生じてからに
して、まずは一歩治療を進めましょう』と言ってくださいました。」
タイミング療法を一歩進め、排卵誘発剤を、クロミッドに加え
HMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)⇒クロミッドによる治療で効果がない場合、
HMGというホルモンを注射し排卵を促す。この方法を注射誘発によるタイミング療法という。
このHMGや卵胞刺激ホルモン(FSH)を使うと、多胎妊娠(たたいにんしん)の可能性がクロミッドなど
内服薬の排卵誘発剤に比べ高まる。その反面、これらの薬は妊娠の確率を上げるうえでとても有用。
医療側は、卵巣の働きに応じて、投与法を考慮する工夫により、多胎妊娠を減らす努力を行っている。
を注射して排卵日にチャンスをもった。それに、
「加味逍遙散(かみしょうようさん)」⇒加味逍遙散は疲労感、不眠、不安、イライラが
あるときなどに効果がある漢方薬。
などの漢方薬を処方してもらった。
「妊娠しやすい状態に体を整え、ストレス発散にもなるからと気功教室も紹介してくださいました。
先生にじっくり話を聞いてもらえることと、気づかないうちにたまっていたストレスを発散できたことが、
とてもよかったと思います。その後、3ヶ月で妊娠しました。不妊って心の問題が大きいとつくづく実感しました。」
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不妊症を克服体験⑥森田順子(28歳)検査・原因
『妊娠していないのに乳汁が・・・。高プロラクチン血症が原因とわかって』
◎プロフィール
22歳ころから、生理が不順気味になる。
24歳で結婚。子供が欲しいと思っていたが、結婚3年たっても妊娠しない。
ある日、乳首に白いものを発見。生理不順もひどくなっていたため、産婦人科を受診。
基礎体温表をつけるよう、指示される。
しばらく原因がわからなかったが、何回か行った血液検査で、高プロラクチン血症の疑いが・・・。
◎チェック
受診のきっかけ⇒22歳のころからの生理不順がひどくなり、これが不妊の原因ではと受診。
検査⇒2度目のホルモンを調べる血液検査で、プロラクチンという乳汁分泌(にゅうじゅうぶんぴつ)
ホルモンの値が少し高く、基礎体温表でも高温期の体温が低め。
TRH試験でプロラクチンの検査と子宮内膜組織検査も行う。
診断⇒潜在性高(せんざいせいこう)プロラクチン血症、黄体機能不全。
治療⇒プロラクチン値を下げる内服薬を服用。数ヶ月で値は下がり、無事妊娠。
『生理不順の原因を探れば、不妊の理由がわかるのかも』
【受診のきっかけ】
「何だろう。皮がむけたのかしら。それにしては変だし・・・・・・・と思いました。
そのときはほんの少しだったので、あまり気にせず、そのことはしばらく忘れていました。」と、
順子さんは27歳のある日、入浴中に乳首に白っぽいカサついたものを発見する。
順子さんにはもっと大きな心配事があった。22歳で就職したころから、生理が不順気味になる。
ここ最近、それがさらに進んで、2ヶ月近く生理がこないことも増えてきた。
「結婚3年たっても妊娠しないのは、生理不順のせいでは」と、生まれて初めて産婦人科を受診することにした。
【検査】
まず、問診・内診・超音波・血液検査・尿検査を行った。
そこで医師に「今日の検査では問題は見当たりません。これから、ほかの検査もしていきましょう。
基礎体温表をぜひつけてみてください。妊娠を希望しているのなら、大切なデータになりますから」と言われる。
順子さんはさっそく基礎体温表を買い求め、翌朝からつけ始める。
翌週、生理が始まったので、採血でホルモンの量を測定するホルモン基礎値検査を行った。
これも異常なし。子宮卵管造影法の検査も行ったが異常はない。
生理不順の原因は何なのか、はっきりしなかった。
『乳汁分泌ホルモンが過剰すぎる病気だった』
【原因】
検査を始めて約2ヶ月たったとき、再度行ったホルモン基礎値検査でプロラクチンという
乳汁分泌ホルモンの値が少し高いことがわかった。
この2ヶ月間つけていた基礎体温表を医師に見せたところ、高温期になっても、あまり体温が上がって
いないことも、気になると言われた。
「プロラクチンというホルモンの量は、時間によってかなり変動するらしく、心理的なものでも数値は
変わってくるそうです。そこで次の生理がきたら再度、血液検査を行ってみるということでした。」
病院からの帰り道、順子さんは「アッ」と思わず立ち止まった。
「確か、先生は乳汁分泌ホルモンと言っていたはず。以前、お風呂で乳首についていたのは、もしかしたら乳汁の分泌?」
自宅に戻り、急いで乳首を絞るようにしてみる。するとほんのかすかに白いものがついた。
順子さんは翌日、病院へ向かい医師に話してみた。
「それは乳汁かもしれませんね。すぐに
TRH試験⇒ホルモン負荷試験のこと。
をしてみましょう。」と医師。TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)を投与し、その後、
採血をしてプロラクチン値が上昇する度合いを調べる検査と、子宮内膜組織検査も行った。
投稿者 baby : 17:24 | コメント (0) | トラックバック
不妊症を克服体験⑥森田順子(28歳)診断・治療
【診断】
「潜在性高プロラクチン血症」とわかる。
だが原因はほとんど不明という。
この病気は普段は正常なのに、夜間など特定の時間だけプロラクチン値が高くなる。
血液検査でわかりにくかったのはこのためで、これが生理不順の原因とのこと。
子宮内膜組織検査の結果は
「黄体機能不全(おうたいきのうふぜん)」。⇒黄体ホルモンの働きは、子宮内膜の
着床の条件を整えること。この黄体ホルモンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなる状態を言う。
潜在性高プロラクチン血症は、着床に備えて子宮内膜の状態を整えるよう促す黄体ホルモンの働きを悪くすることもある。
【治療】
「治療は1日2錠、プロラクチン値を下げる薬を服用する
薬物療法。⇒プロラクチン値を下げるための薬(パーロデルやテルロンなど)を服用する。
多少便秘をしたくらいでほとんど副作用もありません。数ヶ月服用しているうちに、プロラクチン値は下がってきて、
生理も少しずつ順調になってきました。服用中に妊娠しても大丈夫とのことでしたので、
基礎体温を見ながら、病院で排卵日を調べチャンスをもっていたところ、しばらくして妊娠。
夫は大喜びでした。
自分の体を知ることができ、病気の治療もして、なおかつ欲しかった子供も授かって言うことないです。」
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2005年12月15日
不妊症を克服体験⑦山田正枝(35歳)初診・子宮外妊娠
『卵管障害で子宮外妊娠。卵管形成術を行って無事妊娠できました』
◎プロフィール
27歳で結婚。結婚して2年間は避妊。
31歳で不妊の検査を開始。
特に異常は発見されず、機能性不妊と診断。
その直後、31歳で子宮外妊娠。
卵管に妊娠していたことがわかる。
32歳で再び子宮外妊娠を繰り返す。
卵管の通過障害を治療するため、卵管鏡下卵管形成術を行う。
その後、無事、妊娠。
◎チェック
受診のきっかけ⇒避妊をやめ2年たっても妊娠せず、年齢も31歳になったため、検査だけのつもりで通院。
検査⇒子宮卵管造影法という卵管の検査が痛く、つらかった。
手術⇒子宮外妊娠で右卵管を切除。
治療の過程⇒今度は左の卵管に子宮外妊娠し、卵管形成術でつなぐ。
手術⇒新しい治療法の卵管鏡下卵管形成術(らんかんきょうからんかんけいせいじゅつ)を行い、無事、自然妊娠。
『検査では異常なしと言われたのに子宮外妊娠をして』
【受診のきっかけ】
「結婚当初、2年間は避妊していましたが、30歳を過ぎたら子供が欲しいと思い、
29歳からは普通の性生活をもち始めました。」
ところが31歳になっても正枝さんは妊娠しない。
そこで、「検査だけでも」と健康診断のつもりで大学病院の産婦人科に通い始める。
そこで行った子宮卵管造影法という、子宮や卵管に造影剤を注入してレントゲン撮影を行い、
卵管や子宮の状態を見る検査が非常に痛んだという。
しかし、通院後約4ヶ月で出た結論は、夫婦ともに原因は見当たらず機能性不妊という診断だった。
検査がひととおり終わったある日、正枝さんは不正出血が続くため不安になり、再び病院を受診する。
そのときは、「ホルモンのバランスが崩れただけ・・・・・」という医師の説明だった。
と・こ・ろ・が-----
【子宮外妊娠】
「仕事先で急に激痛が起こり、救急車で病院へ運ばれました。
不正出血の原因はホルモン異常という診断だったのに、実は右卵管の
子宮外妊娠⇒子宮内腔(しきゅうないくう)以外のところに受精卵が着床してしまう病気。
成長する受精卵を支えるだけのスペースや栄養補給などの条件が整っていない場所なので、
胎児が育たないばかりか、母体の生命も危険に。
子宮外妊娠しやすい場所は、
・卵管膨大部(らんかんぼうだいぶ)
・卵管狭部(らんかんきょうぶ)
・卵管間質部(らんかんかんしつぶ)
・子宮頸管(しきゅうけいかん)
・卵巣(らんそう)
・腹腔内(ふくくう)
などです。
が原因だったんです。
子供が欲しくて病院に通っていたのに子宮外妊娠で卵管を取らなくてはならない・・・・・
複雑な心境でした。」
妊娠部分とともに右卵管を切除。術後、左の卵管だけでも妊娠は十分可能と医師から説明を受け、
正枝さんはホッとしたという。
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不妊症を克服体験⑦山田正枝(35歳)再び・手術
『2度の子宮外妊娠の末、卵管の通過障害を手術で治療』
【再び】
ところが、その1年後、今度は左の卵管にまた子宮外妊娠。
「私の場合、卵管が細いらしく、左の卵管もうまく通ってなかったようです。
左の卵管まで取り除くわけにはいかないので、妊娠部分だけを切除してつなぐ手術をしたんです。」
このときは不妊治療を専門に行っている病院にかかった。
正枝さんが行った手術は卵管形成術(マイクロサージェリー)といわれるもの。
卵管の詰まっている部分を切り取り、残っている卵管どうしをつないだり、
卵管の出口を開くなどして卵管を良好な状態にする手術である。
卵管形成術を行っても卵管が再び詰まったり、子宮外妊娠を起こすこともありうる。
また、せっかく手術をしても時間がたってしまうと、再び卵管が癒着することもあるため、
半年以内の妊娠をすすめられた。
「もうすぐ33歳。年齢的にも体外受精をとすすめられたのですが、そこまでは考えられませんでした。
確かにまた子宮外妊娠をするのは怖かったです。
せっかく妊娠できても2度もおなかを切って妊娠部分を取り除いたのですから。
おなかに残った傷と同様、心にも傷は残りました。」
【手術】
そんなとき、正枝さんに医師から朗報がもたらされた。
卵管閉塞(らんかんへいそく)⇒卵管が詰まった状態。
に対する新しい治療法、
卵管鏡下卵管形成術⇒卵管閉塞症に対する最新の治療法。
卵管の通過障害を治療できるのはもちろん、卵管の機能の診断にも役立つ。
膣から子宮内に卵管鏡を組み込んだカテーテルという弾力性のある管を入れ、
卵管鏡で卵管の入り口を見つけ、卵管の中に挿入していく。
途中、閉塞や狭窄(きょうさく)があれば、カテーテルで広げながら進む方法。
を行えるようになったというのだ。
この手術は卵管の通過障害を治療できるのはもちろん、卵管がきちんと通っているかを正しく確認するのにも役立つ。
「すぐにお願いすることにしました。子宮外妊娠をしておなかを切る不安がなくなるのなら・・・。
この子宮鏡下卵管形成術で卵管が通れば、安心して妊娠できます。
今度こそ正常に妊娠できるかもしれないのです。」
入院をしての手術。卵管の通過が確認でき、約5日間で無事退院。
正枝さんは卵管さえ通っていれば今まで同様、自然妊娠の希望も大きい。
「この手術のおかげで、時間のかかる不妊治療に通わずにすむため、仕事も精一杯できました。
余計なストレスもなく、妊娠のチャンスをもてたことがよかったんだと思います。」
5ヵ月後、正枝さんは無事、妊娠し、経過も順調である。
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不妊症を克服体験⑧木田沙紀(30歳)受診・転院
『クラミジア感染症で、気づいたときには不妊症に・・・・・』
◎プロフィール
22歳で繊維会社に就職。
26歳、アパレルメーカーに勤める夫と結婚。
結婚前まで、生理は順調だった。
結婚2年、28歳で子供ができないことを心配し、産婦人科を初めて受診する。
そのときには、生理痛、おりものなど、気になる症状があった。
◎チェック
受信のきっかけ⇒結婚2年で妊娠しないため検査を。
検査⇒子宮頸管炎と言われ抗生剤を服用。
転院⇒症状がよくならず、さらに悪くなっているように感じたため、転院し検査。
原因⇒クラミジア感染症とわかる。そのため卵管に炎症が起こり、不妊の原因になっていた。
治療⇒抗生剤と漢方薬の併用で治療。夫も治療する。
不妊治療⇒注射による卵胞刺激ホルモン剤で排卵を促し、タイミング療法で5ヶ月後に妊娠。
『妊娠どころか我慢できない排卵痛が・・・・・』
【受診】
ことの始まりは沙紀さんが28歳のときだった。
2歳年上の夫と結婚して3年目。
ふたりとも子供が欲しかったにもかかわらず、妊娠の兆候が2年たってもまったくない。
おりもの⇒クラミジア感染症の自覚症状として、不正出血やおりものの増加がある。
ただし、クラミジア感染症は自覚症状が少なく、感染していても気づかないことが多い。
が増え、軽い
下腹部痛⇒クラミジアに感染すると、子宮頸管や卵管、
あるいはその周囲に炎症を起こし、下腹部が痛むことがある。
やそれまでになかった生理痛も感じるように。
夫に相談すると、夫も子供が欲しかったこともあり「そうだね、一度病院に行ってみたら」と答えた。
沙紀さんが受診したのは近所の産婦人科だった。
医師からの説明は「たぶん、お子さんができないのは、
子宮頸管⇒クラミジア感染症が子宮の入り口である子宮頸管にとどまって
いるうちは、まだ治療がしやすい。症状が進むと、卵管が閉塞したり、卵管周囲に癒着が起こる。
さらに進むと、肝臓の周辺にまで炎症がおよび、肝周囲炎などを併発しやすくなる。
が炎症を起こしているからでしょう。おりものが増えたのも、その影響だと思います。
抗生剤⇒クラミジアの治療には、テトラサイクリン系の抗生剤や
マクロライド系の抗生剤やニューキノロン系の抗菌剤を用いる。
沙紀さんが処方された抗生剤も同様の効き目があった可能性も。
を出しますから、しばらく飲んでください」というものだった。
2ヶ月ほど通院し、抗生剤を飲み続けたあと、医師から子宮頸管の炎症はほぼ治ったと診断される。
「ところが、いっときは治まっていたおりものが再開し、においまで気になるようになりました。
それに、排卵期⇒卵管が閉塞したり、卵管周囲に癒着が起こっていると、
排卵時に痛むことがある。
だと思えるころに起こる下腹部の痛みが増し、それだけでなく生理痛もひどくなっていきました。
症状は治まるどころか、ひどくなるばかり。子宮頸管炎が治ったという診断も疑わしく思えました。
これでは妊娠どころではありません。」
【転院】
沙紀さんは本で病院を探し、会社の近くにある産婦人科専門クリニックを訪ねた。
このとき、排卵期と生理の時期に起こる激しい下腹部痛に加え、排尿時に痛みに近い
違和感⇒子宮周辺、卵管周辺に、クラミジアが深く侵入していると、
排尿時に痛みを感じることがある。
を覚えるようになっていた。
「先生に『とにかくこの痛みを何とかしてください』と訴えたのを覚えています。
先生は経過をていねいに聞いてくださったあと、経膣超音波で画面を私に見えるようにして、
診察しながら説明をしてくれました。」
ほかにがん、膣や子宮頸管部の
抗原検査(こうげんけんさ)⇒膣から超音波で子宮頸管の様子を確認しながら、
子宮頸管上皮を採取してクラミジアの病原体がいるかどうかを調べる。これを抗原検査という。
検査の結果が陽性の場合、ほとんど間違いなくクラミジア感染症にかかっているといえる。
血液検査、尿検査を行った。
「内診で見たところでは、子宮頸管の炎症は治っていますね。ただ、超音波で見ると卵管が炎症を起こしています。
血液検査⇒クラミジア抗体の有無で感染したことがあるかどうかを調べる。
抗体があれば過去に感染したことがあるということに。抗原検査で子宮頸管に感染が認められなくても
ほかの場所に感染している可能性が残る。その場合、抗体検査で体の中に病原体がいるかどうかを
調べる。ただし、抗体検査では、病原体の居場所を特定することはできない。
また、過去に感染していたことはわかっても、現在も病原体が残っているかどうかは正確にわからない。
通常、症状があって、抗体検査が陽性の場合は、治療を行う。
の結果を見て治療しましょう。」という初診時の医師の説明だった。
2日後、再びクリニックを訪ねた沙紀さんは、思ってもいなかった結果を聞かされる。
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不妊症を克服体験⑧木田沙紀(30歳)原因・不妊治療
『夫からうつった性感染症が不妊の原因とわかって』
【原因】
「先生から
クラミジア感染症⇒クラミジアは細菌とウイルスの中間に位置する微生物。
卵管の癒着を起こすなど、不妊症に大きな影響がある。
沙紀さんの場合、抗原検査は陰性だったが抗体検査が陽性だった。
と言われ、最初は何のことかわかりませんでした。でも説明が進むにつれ、セックスによって感染する
性感染症ということが飲み込めてきました。腹痛の原因はクラミジアの病原体が膣、子宮頸管を通り
子宮から卵管へ侵入したためだったのです。」
沙紀さんの場合、超音波で見る限り、炎症を起こしていたのは右卵管だけ。
抗原検査で子宮頸管から採取した粘膜からは、病原体は発見されていない。
子宮頸管の炎症が治っていたのは、以前の産婦人科で処方された抗生剤が効いていたのでは
ないかという医師の説明だった。
今回、クラミジアの反応が出たのは血液からで、クラミジアの病原体が体内に潜んでいることを示す
結果だった。病原体がいるのは卵管だけと特定できない。しかし、クラミジアに感染している間は、
むやみに卵管検査を行えない。検査によって、病原体が卵管から骨盤内に広がっていく可能性があるからだ。
治療薬として1日2回分の内服薬を処方された。
これを2週間程度飲めば、体内のクラミジアの病原体は消えるという。
加えて体内の血液循環をよくする
漢方薬⇒当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など
も処方された。
「卵管の炎症が不妊の原因でした。排卵のとき下腹部が痛んだのは、卵巣から出た卵子が卵管を
通るときに、炎症のある卵管を刺激するからだということでした。ショックだったのは原因が性感染症
だということです。夫からうつされたとしか考えられません。では、夫は誰にうつされたのか???」
その晩、沙紀さんは帰宅した夫にクリニックでの結果を話した。
夫は沙紀さんの言葉に動揺した。
「夫は結婚後の一度だけの浮気を告白しました。
夫の口から、直接そんな言葉を聞くとやはり失望しました。
夫は誠実で真面目な性格です。でも、なぜ嘘をつき通してくれなかったのかと恨みました。」
夫はもう一度やり直そうと、沙紀さんを説得し続けたという。
『卵胞刺激ホルモン剤でタイミング療法を』
【不妊治療へ】
「1ヶ月後、体内の病原体は消えました。先生はこれまで『ふたりで治さないとまたうつるわよ』と
心配してくださいました。このときも同じことを言われ、夫とのことをお話してみたんです。」
医師は、「誠実なご主人ですね。男性の場合、ほとんど症状がないので、いつ感染したかわからない
ことが多いんです。あなたと出会う以前という可能性だってありえますよ。男性は感染していても、
尿検査⇒男性の場合、クラミジアの検査は尿検査で行われることが多い。
で陰性の結果が出ることがあるんです。自分のせいじゃないと、逆に妻を責める男性だっている
くらいですから。」と話した。
帰り道、沙紀さんは夫の人のよさに思わず顔がほころんだ。
夫とやり直そうと決心したのは医師との話がきっかけだった。
「夫に検査を頼むと、すぐ泌尿器科に行ってくれました。
クリニックの先生の言葉どおり、尿検査では陰性。
でも、夫は非常に痛いという尿道の分泌物を採取する検査を自ら進んでしてくれました。
結果は陽性。クラミジアに感染していることがわかり、治療を開始しました。」
2週間後、夫のクラミジア感染症は完全に治った。
沙紀さんも卵管の癒着がほとんどなく、卵管通水検査で卵管の通過障害のないことが確認できた。
これで不妊症の原因と思われるものはなくなった。
沙紀さんは、すぐに注射による
卵胞刺激ホルモン剤⇒卵胞刺激ホルモン(FSH)で卵巣を刺激し、
卵胞を十分発育させるための排卵誘発剤。
で、排卵を誘発し、排卵のタイミングを見てチャンスをもつ
タイミング療法⇒卵胞刺激ホルモンで十分卵胞が発育したら、
HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という筋肉注射で排卵を促し、排卵のタイミングを見てチャンスをもつ方法。
を開始した。
「もう一度、子供をつくる決心をしました。苦しんだけど、やはりこの人と家族を築きたいと思えたんです。」
沙紀さんが妊娠したのは、タイミング療法を始めて5ヶ月後だった。
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不妊症を克服体験⑨里中幸子(31歳)受診・診断
『子宮内膜症がわかり手術。その後も生理痛と闘いつつ、排卵誘発剤での治療を続けて』
◎プロフィール
大学在学中の20歳のころから、生理痛がひどくなる。
それまで、生理は順調で痛みもほとんどなかった。
就職後、25歳で結婚。結婚したころから生理痛のひどさが増し、
生理時は必ず1~2日会社を休んでいた。
産婦人科の敷居が高く感じられ、鎮痛剤で我慢。
28歳で激痛を起こし産婦人科へ。
母親、姉ともに婦人科系の病気はない。
◎チェック
受診⇒生理痛がひどく、ある日激痛が・・・・・。
診断⇒子宮内膜症。卵巣にはチョコレート嚢腫(のうしゅ)があった。
手術⇒開腹手術で、チョコレート嚢腫を切除し、その他の内膜症部分を取り除く。
再発⇒術後半年で、また生理痛が起こり、ホルモン剤で生理を止める治療を行う。
不妊治療⇒ホルモン剤の休薬期間に、排卵誘発剤クロミッドによるタイミング療法を行う。
排卵誘発剤⇒クロミッドからHMGに変え、成功。
『子宮内膜症が進行しチョコレート嚢腫まで見つかって』
【受診】
「言葉で表現できないくらい激痛で、痛くて転げ回りました。」
幸子さんは下腹部に強い痛みを感じ、初めて産婦人科を受診した。
28歳のときだった。
「赤ちゃんが欲しいという気持ちはありましたが、生理痛のせいでできないのかしらと漠然
と思っていて。でももう28歳だから、うやむやにしていられないという感じもあって、
思いきって受診したんです。」
産婦人科では、内診で子宮の様子を見た。
また、経膣超音波検査(けいちつちょうおんぱけんさ)も行った。
検査の結果、「子宮内膜症ではないかと思います。卵巣にチョコレート嚢腫が見られます。
血液検査とMRIでの検査結果を待って確認しましょう。」と医師からの説明だった。
【診断】
その1週間後、血液検査でCA125という腫瘍マーカーの値が高かったことと、
MRIの結果もやはりチョコレート嚢腫が確認できたことから、子宮内膜症に間違いないだろうとのことだった。
「『チョコレート嚢腫を取り、ほかの臓器との
癒着(ゆちゃく)⇒子宮内膜が本来あるはずの子宮内腔以外にも
発育するのが子宮内膜症。腹腔内に子宮内膜が発育すると、その部位に炎症を起こし、
卵管、腸、腹膜などに癒着が生じたり、血液の固まりができる。
も剥がしましょう。』と先生からすすめられました。
右の卵巣にもチョコレート嚢腫が、さらに子宮の周囲に内膜症の病巣もある。
ほかに腸との癒着もあると言われたんです。
もっと早く受診していれば、手術をせずに薬物療法で治療できたのにとも言われました。」
幸子さんの痛みの始まりは20歳のころ。
それまでは、生理痛というほどの生理痛はほとんどなかった。
ある日、突然痛くなり、生理を迎えるたびごとに、つらくなっていった。
痛みはさらにひどくなり、25歳ころからは痛み止めも効かず、生理というと会社を休んでいた。
「痛みの(腹腔内の癒着がひどくなると、かなり強い痛みが起こる。)種類も程度も月ごとに差が
あって、骨盤の内側が引っ張られているような、イヤな感じの鈍痛のこともあれば、腰痛がひどいときも。
下腹部が痛み下痢が続く月もあるんです。そんなことが7~8年続くと痛いのが当たり前、
痛みに麻痺してしまって病院に行くほどではないかもと・・・・・・・・・・。
産婦人科の敷居が高く行きにくかったということもあります。」
投稿者 baby : 17:34 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月27日
不妊症を克服体験⑨里中幸子(31歳)手術・再発
『手術後、しばらくすると・・・また、生理痛が・・・』
【手術】
子宮内膜症を治さないと、このままでは妊娠はむずかしいと医師からのアドバイスもあり、
幸子さんは開腹手術を決意する。
「手術後、先生からチョコレート嚢腫とその他の内膜症の病巣は取り除き、
腸との癒着部分もできる限り処置できたと聞かされました。
でもショックだったのは『内膜症という病気は完全には治りません。
閉経まで上手につき合ってください。』と言われたことです。
先生は赤ちゃんが欲しいなら、なるべく早くつくりなさいとも言いました・・・・・」
できるだけ早く妊娠しないと、また子宮内膜症が発育し、痛みを止めるために
ホルモン剤を服用し⇒偽閉経(ぎへいけい)状態にする治療法を
偽閉経療法という。2種類の方法があり、ダナゾール製剤というゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)を
抑える働きがあるものと、Gn-RHアゴニスト製剤(スプレキュア)という卵巣機能を低下させ閉経
している状態にするものとがある。これらの薬剤はきちんと使用しても妊娠する可能性がある。
服用中に妊娠すると、胎児にどのような影響があるか、わかっていないため、避妊する必要がある。
生理を止めることになる。そうなると、生理を止めている間は妊娠は望めない。
「術後しばらくは、生理がきてもまったく痛くないので、うれしくてしかたがありませんでした。
長年の痛みから開放されたんです。再発の心配など、どこかに消え去っていました。
もちろん妊娠のために基礎体温計を毎朝、口にくわえて、排卵日になるとチャンスはもっていました。」
【再発】
しかし手術から半年後、また生理痛が始まった。
「手術を受けた病院では、ホルモン療法を始めれば生理を止めることができるから、
痛みは治まると言われました。でもその間、妊娠はできません。このときはもう29歳。
30歳を過ぎたら、ますます妊娠しにくくなってしまうと思うと、不安はいっぱいでした。」
確かに、鼻にスプレーをするタイプの
Gn-RHアゴニスト(スプレキュア)⇒ゴナドトロピン放出ホルモン。
脳下垂体(のうかすいたい)からのホルモン分泌抑制作用(ぶんぴつよくせいさよう)を利用して、
排卵誘発剤として使用される。子宮内膜症治療に使用されることもある。
製品名として、スプレキュア、ナサールなど。
スプレキュアは、月経開始の1~2日後から1日3回、左右の鼻に1回ずつ噴霧して、
4~6ヶ月連続して使用する。使用後は、半年間の休薬期間が必要。
というホルモン剤を使っているときは痛みがなかった。
しかし、幸子さんの使ったホルモン剤は、4~6ヶ月の使用が限度で、使用後は必ず半年間、
薬を休まなくてはならない。
不妊症を克服体験⑨里中幸子(31歳)不妊治療・次治療
『ホルモン剤の休薬期間に排卵誘発剤による不妊治療を』
【不妊治療へ】
「ホルモン剤を半年使用したあと、休薬期間が妊娠のチャンスと不妊治療に通いました。
排卵誘発剤を使って妊娠の可能性を上げるというものでした。最初に用いたのは
クロミッド⇒クロミッドは弱い卵胞ホルモン(エストロゲン)作用をもち、
視床下部(ししょうかぶ)に働いて、卵胞の発育を促す。
通常、月経の5日目から1日1~3錠を5日間服用する。
という錠剤でした。」
生理5日目から5日間服用する。排卵が起こる日は個人差が大きいため、
病院へ通って経膣超音波で卵子の直径を測り、排卵日を推定する。
卵子の直径が20mmを超えれば排卵が近い。
その排卵日に合わせてセックスをするというタイミング療法だ。
「排卵誘発剤によるタイミング療法を始めて間もなく、また生理痛が始まりました。
痛みを耐えながらの不妊治療はつらかった・・・・・・・」
【次の治療】
幸子さんは医師のアドバイスに従い、今までのクロミッドから、
HMG⇒ヒト閉経ゴナドトロビンというホルモンのこと。
という注射による排卵誘発剤に変えた。
排卵しているのに妊娠しない場合は、卵子の質が悪いことが考えられる。
このHMGというホルモン剤は受精しやすい卵子をつくるのに有効といわれている。
HMGを生理開始3日目から1日おきに注射する。そして、卵子が十分発育できたら
HCG⇒ヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンのこと。卵胞を破裂させる作用をもつ。
というホルモン剤を筋肉注射し、排卵を促す。
「この方法だと、クロミッドによるタイミング療法よりも妊娠率が高くなるということでした。
生理のたびにやってくる痛さから逃れるためには、早く妊娠するしかないと思い、
来る日も来る日も病院に通いました。」
スプレキュア使用を中止し、タイミング療法を始めて半年がたった。
幸子さんは生理痛が苦しいため、半年間、妊娠をあきらめてスプレキュアを再度使用しようかと
考えていたときだった。
「病院でおめでとうと言われたときには、一瞬何のことかわかりませんでした。
でも次の瞬間、『よかった、これで痛みからも排卵誘発剤からも開放される』と思ったのを覚えています。」
幸子さんは無事、30歳で赤ちゃんを出産した。
産前、産後1年以上、生理が止まっていたこともあって、今は子宮内膜症の痛みはないという。
不妊症を克服体験⑩桑原涼子(33歳)検査・診断
『左右にリンゴ大の卵巣嚢腫が・・・。手術後、生理がきて強く妊娠を願いました』
◎プロフィール
大学卒業後、家電メーカーに就職。
就職して4年目の26歳で結婚。
結婚後も仕事を続ける。
結婚5年目、31歳で不妊症の検査を思い立ち、産婦人科へ。
生理は初潮のときからずっと順調で、生理痛もほとんどなかった。
大きな病気もしたことがない。
◎チェック
検査⇒結婚5年目、31歳で左右にリンゴ大の卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)が見つかる。
診断⇒良性かどうかは開腹手術をしてみないと正確にはわからないと言われる。
手術⇒良性の卵巣嚢腫と判明。嚢腫だけを摘出し、両方の卵巣とも温存できた。
治療⇒2ヶ月半後、生理がきて妊娠のチャンスをもつ。
排卵誘発剤を使わず、自然なタイミング療法で妊娠。
『リンゴ大の卵巣嚢腫が左右両方に見つかって』
【検査】
結婚5年目になっても子供ができないことから、涼子さんが31歳になったとき、
産婦人科での検査を思い立つ。
「検査をすると、左右の卵巣にひとつずつ、リンゴ大の腫瘍が見つかりました。
左右両方にそんな大きな腫瘍があったのに、自覚症状はありませんでした。
あとから考えてみると疲れやすかったことと、ダイエットで3kgやせたのに、
おなかだけはポッコリ出て⇒卵巣嚢腫が大きくなると、おなかが大きくなったり、
張った感じがするなどの症状が起こることもあるが、初期では、自覚症状のない場合がほとんど。
張った感じがあったことくらいです。」
涼子さんは、
生理は順調で生理痛もほとんどなく⇒卵巣嚢腫が大きくなった状態でも月経は順調
で、月経痛もないことはめずらしくない。
赤ちゃんができない原因がこんなにすぐに見つかるとは思ってもいなかったという。
「先生は私のおなかを触診しながら、『これは子宮か卵巣に何かあるね。すぐに超音波と
MRI⇒磁気共鳴映像法(じききょうめいえいぞうほう)。
CTは、X線を使って、照射した人体の断面を、コンピュータ画像を使って表示する装置だが、
X線の代わりに磁気を使って画像を得る方法がMRI。
を撮りましょう』と言われました。」
この検査で、両方の卵巣にリンゴ大の腫瘍がひとつずつ発見される。
卵巣嚢腫だった。
【診断】
卵巣嚢腫は卵巣にできた腫瘍で、悪性か良性かを判断するには、開腹して腫瘍を摘出し、
病理検査⇒組織を摘出して、顕微鏡で調べる検査。
をしないと確定診断はできないと医師から説明を受ける。
さらに涼子さんは医師から、腫瘍が
茎捻転(けいねんてん)⇒卵巣が普通の大きさのときはねじれることはないが、
卵巣嚢腫ができて大きくなってしまうと、卵巣が腹膜に付着している部分(卵巣の茎)がねじれて、
その部分の血管が圧迫され、卵巣が壊死(えし)してしまうこともある。
このような状態を茎捻転という。
ごく初期ならば、ねじれを治して、卵巣嚢腫だけを取り除くことも可能だが、ねじれがひどく、
時間がたっている場合は、卵巣や卵管が壊死を起こして、機能する可能性はないため、切除することになる。
を起こすこともあるので、手術はできるだけ早いほうがいいと言われた。
「先生から、手術をと言われたときにはショックでした。
悪性=がんってこと?⇒卵巣嚢腫は良性・卵巣腫瘍は悪性と考える人も
いるようだが、両者は区別して使われてはいない。発見された卵巣嚢腫が、開腹手術をし、
病理検査をした結果、悪性ということもありうる。
それに先生から『ごくわずかの確率ですが、開腹した様子によっては、腫瘍だけでなく卵巣も
取らなくてはならないことがあるかもしれません。』とも言われました。
私の場合、両方に卵巣嚢腫があるわけですから、手術後、麻酔から覚めたら卵巣がふたつとも
なくなっていた、なんてことがあるかもしれないと思いました