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『嚢腫は良性。卵巣を温存できて・・・・・・』
【手術】
「手術は1時間弱で終了しました。まず、嚢腫だけの摘出ですんで左右の卵巣は残ったと聞かされ
安心しました。摘出した嚢腫はそれぞれ2kgはありそうで、嚢腫には髪や歯が生えていたという
話を夫から聞いて、ちょっとゾッとしました。」
医師からは、「卵子のもとである胚細胞(はいさいぼう)が変化した種類の嚢腫で、胚細胞は人の
体をつくる源となる細胞なので、髪の毛や歯などが入っているのだ。」という説明を受けた。
術後は良好で、涼子さんが気になっていた病理検査の結果も良性だった。
傷はおへその下に縦10cmくらい。約2週間で退院できた。
卵巣嚢腫が不妊の原因になるのは、嚢腫によって卵管が引き伸ばされてしまい、卵子をキャッチする
卵管采(らんかんさい)⇒卵巣に接している部分で、ラッパ状に開いた形をしている。
卵管采のもっとも重要な働きは、卵巣から排卵された卵子を卵管に取り込むこと。
が卵巣から遠ざかってしまうため、卵子はキャッチされにくく、卵管の輸送能力も低下するから。
また、茎捻転や炎症によって、卵管や卵巣周辺が癒着するためなどによる。
涼子さんのおなかの中は癒着などがなかったため、卵巣嚢腫を取り除いたことで
不妊原因はほぼ取り除かれた。
【妊娠】
退院後、約2ヶ月半して初めての生理がやってくる。
「何だか、とてもうれしくて夫の携帯にまで電話しちゃいました。
ああ、卵巣があるんだって実感できて・・・・・・・・。
その晩、夫といろんなことを話ました。
今までもよく話す夫婦だったんですが、子供のことをこんなに話したのは初めてでした。
今回のことで、ふたりとも強く赤ちゃんが欲しい、妊娠できるうちにしたいって思うようになりました。」
生理が順調に戻ってきたため、産婦人科で卵子の大きさを経膣超音波で確認してもらいながら、
排卵の時期を推定し、妊娠のチャンスをもつ
自然なタイミング療法を行った。⇒排卵の時期を経膣超音波で確認して、
セックスする方法をタイミング療法という。
タイミング療法には、大別すると2種類ある。
自然な排卵を待って行う場合と、
排卵誘発剤を使って行う場合である。
治療方針としては、涼子さん夫婦の希望で、すぐに
排卵誘発剤⇒排卵誘発剤には、クロミッドという卵胞の発育を促す効果をもつ
内服薬と、HMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)などの卵巣を刺激し質のよい卵子をつくる注射とがある。
を使わず、この方法で様子を見てみるということになった。
これで半年たっても妊娠できなければ、次の方法を考えようというのが、ふたりが出した結論だった。
自然なタイミング療法を行って4ヶ月後、見事妊娠。
順調な妊娠生活を送り無事出産。
現在、1歳の男の子がいる。